有給休暇は労働時間か?
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「年次有給休暇を取得した週の割増賃金は、どうなるのか?」
単純な疑問だが、誤解も多いと思う。
労働基準法第32条(労働時間)
使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
たとえば、完全週休2制(土日)の会社AでY氏が水曜日に有給休暇を取得し、かつ土曜日に8時間勤務した場合の扱いはどうなるのでしょうか。
労働基準法の割増賃金は発生するのか?
三菱重工長崎造船所事件、最高裁、H12.3.9では、
「労働基準法32条の労働時間(以下「労働基準法上の労働時間」という)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を いい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使 用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めの如何により決定 されるべきものではないと解するのが相当である。」
と あります。
つまり、有給休暇は、労働時間ではない。
そうすると、労働基準法でいう割増賃金は、発生しないことになる。
ただ、このような扱いをした場合、従業員とのトラブルになる可能性もあるので、就業規則などにしっかり規定しておくべきでしょう。