厚生労働省は、今年の12月から雇用調整助成金の支給を厳格化し、リーマンショック前の通常時の基準に戻すことを発表。
雇用調整助成金は、リーマンショック後の急激な雇用情勢の悪化により支給基準が大幅に緩和されましたが、その後、時代の流れとともに徐々に厳しくされ、ほぼ元の基準に戻ることになりました。
これまで緩和されていた基準に助けられてきた中小企業は、他の中小企業支援策の縮小傾向もあいまって経営危機に陥る恐れもあり、地域経済にも大きな影響を与えることになるかもしれません。
「雇用調整助成金」の改正内容
(1) 「クーリング期間」
利用の長期化を防ぐために、クーリング期間を復活させ、対象期間の末日から1年間は新たな対象期間の設定を不可とする。
(2) 「休業規模要件」
限られた財源による助成金の効果を高める観点から、休業規模要件を復活させ、一定規模以上の休業等の場合のみ助成対象とする。
(3) 「特定短時間休業」
労働者単位の特定短時間休業は、個人の休憩や遅刻、シフト変更などとの見分けが難しい場合があることから、事業所単位の一斉休業のみ可とする取扱いに戻す。
(4) 「業務日の訓練対象外」
同一日に事業所内訓練と業務を行った場合、訓練と業務の見分けが難しい場合があること等から、業務日における訓練は助成対象外とする取扱いに戻す。
(5) 「教育訓練費」
事業所内・外の区分をなくし、助成額をリーマンショック前の水準に戻す。
(6) 「教育訓練の基準」
生産性向上に資する訓練とは認められない訓練をネガティブリストに追加して、実質的にリーマン・ショック前の対象(ポジティブリストの内容)に戻す。
――の見直しが行われました(施行期日/平成25年12月1日)。